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医療関係者や一般の方々を対象とした医学的な情報提供や、プロモーションを目的としたものではありません。
―感染症および呼吸器疾患に関する意識調査―
呼吸器感染症はコロナだけじゃない
患者数が増加している肺NTM症の認知度は1割
~5月9日の「呼吸の日」。身の回りに存在する環境生息菌からの感染リスクも考えよう~
インスメッド合同会社(以下「インスメッド」、本社:東京都千代田区)は、「肺非結核性抗酸菌症(以下、肺NTM症)」を含む感染症および呼吸器疾患に関する一般の意識や行動を把握することを目的に、咳もしくは痰の症状のある30代から70代の男女1,030名を対象にオンライン形式のアンケートを実施しました。その結果、新型コロナ感染症の流行により、9割以上が感染症予防への意識が高まったと回答しているにも関わらず、近年、日本において罹患者数が倍増し、肺結核のそれをしのぐといわれる肺NTM症の認知度は約1割(10.1%)と、結核やかぜ症候群、インフルエンザおよび新型コロナウイルス感染症などの感染症と比較して低いことが明らかになりました。
本調査では、感染症の感染源・原因となる可能性がある要因として、知っているものについても伺いました。最も知られていたものは「人の飛沫(くしゃみ、咳など)」(97.8%)、続いて「ウイルス」(90.3%)と、流行している新型コロナウイルス感染症や他の呼吸器感染症の感染源とされている要因に関しては、しっかりとした共通認識が伺えました。一方、肺NTM症の感染源と考えられている「土(花壇、ガーデニングなど)」は37.5%、「水(水道水など)」は34.7%と、3~4割の人にしか認識されていないという実態も明らかになりました。
また、感染症予防のためにご自身で行っている行動については、「マスクの着用」、「手洗い」、「手指のアルコール消毒」と、周知されている対策について習慣として実行している人が多い一方、「水回りの掃除」(23.7%)は最下位の9位となり、人々の意識が環境生息菌からの感染を予防するための対策にまでは及んでいない様子も伺えました。
これらの調査結果から、咳もしくは痰の症状のある方々の中には、近年罹患者数が増加している肺NTM症の可能性がありながら、感染に気づかず未受診の患者さんが数多くいることが推察されます。
肺NTM症は、非結核性抗酸菌(Nontuberculous Mycobacteria以下NTM)という細菌が肺に感染することにより発症する感染症です1。NTMは結核菌と同じ抗酸菌に属する菌ですが、人間など動物の体内でしか生息することができない結核菌と違い、身近な環境に存在する環境生育菌であり、土壌や水中、都市の給水システムなどに生息しています。本調査結果では、身近にある、「土」と「水」が感染源になりうることを認知している人の割合は、「人の飛沫」と比較して非常に低くなっています。
日本においては、2007年から2014年の7年間において人口10万人あたりの罹患率は2.6倍増加し、現在では肺結核をしのぐ罹患者数となっています2,3。また特に日本を含むアジアでは、肺NTM症の人口比が、米国や欧州と比較して多いとされています4,5。肺NTM症の主な症状として、咳嗽、喀痰、血痰、倦怠感、体重減少などが挙げられますが、症状の強さや病気の経過は患者さんによって様々です。厚生労働省の人口動態調査(2018年)では、国内の肺NTM症による死亡者数は年間1,000人を超える6など、罹患者数と死亡者数を含めて増加の一途をたどっている深刻な疾患です。
グローバルバイオ医薬品企業であるインスメッドは、深刻な希少疾患に苦しみながら、これまで顧みられることの少なかった患者さんの日々の暮らしを変えていく使命を担っています。私たちは、今後も肺NTM症の疾患啓発に注力し、この疾患で苦しむ方々の未来を変えていく活動を進めてまいります。
1 佐々木結花 編. 結核・非結核性抗酸菌症を日常診療で診る. 羊土社; 2017.
2 Namkoong H, et al. Emerg Infect Dis. 2016;22(6): 1116-1117.
3 日本医療研究開発機構. プレスリリース:呼吸器感染症を引き起こす肺非結核性抗酸菌症の国内患者数が7年前より2.6倍に増加―肺結核に匹敵する罹患率―. https://www.amed.go.jp/news/release_20160607-02.html (last accessed 2022.02.25)
4 Adapted with permission of the American Thoracic Society. Copyright © 2020 American Thoracic Society.
5 Adjemian J, et al. Am J Respir Crit Care Med. 2012; 185(8): 881-886.
* The American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine is an official journal of the American Thoracic Society
6 政府統計の総合窓口e-Stat. 人口動態調査 / 人口動態統計 確定数 死亡(2018年). https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450011&tstat=000001028897&cycle=7&year=20180&month=0&tclass1=000001053058&tclass2=000001053061&tclass3=000001053065&stat_infid=000031883971&result_back=1(last accessed 2022.02.25)
― 調査結果のまとめ ―
● 感染症・呼吸器疾患の中でも低い「肺NTM症」の認知率:1割(10.1%)
● 感染症の“感染源”としてあまり認識されていない要因:「土(花壇、ガーデニングなど)」(37.5%)と「水(水道水など)」(34.7%)
● 感染症予防のために意識して行っていることの最下位:「水回りの掃除」(23.7%)
本調査の概要および結果の詳細は以下をご確認ください。
【調査概要】
調査期間:2021年12月17日(金)~2021年12月20日(月)
調査手法:インターネット調査
対象地域:47都道府県
調査目的:肺NTM症を含む感染症および呼吸器疾患に対する意識、症状があることで発生する困りごと、現状の治療への満足度などに関する実態把握および啓発のため
調査対象者:現在、咳もしくは痰の症状のある30-70代(男女515名ずつ、計1,030名)
※図の構成比(%)は小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計が必ずしも100%にならない場合があります。
【調査結果 詳細】
1.サマリー 詳細
● 感染症・呼吸器疾患の中でも低い「肺NTM症」の認知率1割(10.1%)
感染症・呼吸器疾患について、知っているものについて伺ったところ、「新型コロナウイルス感染症」が95.0%などに対して、「肺NTM症」はわずか1割(10.1%)と、感染症・呼吸器疾患の中でも最も低い認知率であることがわかりました。
● 感染症の“感染源”としてあまり認識されていない「土(花壇、ガーデニングなど)」(37.5%)と「水(水道水など)」(34.7%)
続いて、感染症の感染源・原因となる可能性がある要因として、知っているものについて伺いました。すると、最も知られていたものは「人の飛沫(くしゃみ、咳など)」(97.8%)、続いて「ウイルス」(90.3%)とどちらも9割を超える結果となり、現在流行している新型コロナウイルス感染症の感染源とされている要因に関しては、しっかりと共通認識はあることが伺えます。一方、肺NTM症の感染源と考えられている「土(花壇、ガーデニングなど)」は37.5%、「水(水道水など)」は34.7%と、全体の約3割~4割となり、人の飛沫やウイルスと比較して認識されている割合が低いという実態が明らかになりました。
● 感染症予防のために意識して行っていること最下位「水回りの掃除」(23.7%)
感染症予防のために自身で行っている行動について伺いました。すると、トップ3には「マスクの着用」「手洗い」「手指のアルコール消毒」と、新型コロナウイルスの流行以降に継続的に周知されている対策については習慣として実行している人が多いことが伺えます。一方、最下位の9位となったのは「水回りの掃除」で23.7%という結果となり、多くの人々の意識が“水回り”にまでは及んでいない様子が伺えます。
2.その他の結果 詳細
● 咳もしくは痰の症状で困っていること1位「周囲の目」(44.0%)、2位「静かなところへ出かけにくい」(32.4%)、3位「公共交通機関を利用しにくい」(32.0%)
咳もしくは痰の症状があることで困っていることについて伺ったところ、1位に「周囲の目が気になる」(44.0%)、2位「静かなところへ出かけにくい」(32.4%)、3位「公共交通機関を利用しにくい」(32.0%)といった回答が並び、公共の場を含む外へ出かけづらい思いをしている方が多いことがわかりました。
● 咳や痰の症状がある人の約2人に1人(咳:48.2%、痰:59.0%)が医療機関を未受診
その理由8割(81.8%)が「病院に行くほどではないと思っている」
~「症状が改善するとは思わない」(14.3%)、「病院や薬局で新型コロナに感染する不安がある」(10.8%)といった声も~
それでは、咳もしくは痰の治療のために、どれだけの方が医療機関を受診しているのか伺ったところ、「1か月以上」その症状が続いている人が「咳」は約5割(50.7%)、「痰」は6割以上(64.2%)なのに対して、それらの症状がある人の約2人に1人(咳:48.2%、痰:59.0%)が医療機関を未受診との回答でした。
理由も合わせて伺ったところ、圧倒的に多かったのが「病院に行くほどではないと思っている」(81.8%)という結果になりました。また、回答数に開きはあるものの、「症状が改善するとは思わない」(14.3%)、「病院や薬局で新型コロナウイルスに感染する不安がある」(10.8%)といった声もあり、症状を改善させることもできないまま、諦めている方がいる様子が伺えます。
● 約9割(91.0%)が新型コロナをきっかけに「感染症予防意識が高まった」と回答
2020年の新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに、流行以前よりも感染症予防に対する意識に変化があったかどうかを尋ねました。すると、「高まった」「やや高まった」と答えた人は合わせて約9割(91.0%)となりました。
● 9割以上(95.0%)が新型コロナをきっかけに「人前で咳をすることに抵抗感を感じるようになった」と回答
新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに、流行以前よりも人前で咳をすることに対して抵抗感を感じるようになったかどうかについて伺ったところ、「抵抗感を感じるようになった」「やや抵抗感を感じるようになった」と答えた人は合わせて9割以上(95.0%)となりました。
● 咳もしくは痰の治療のために医療機関を受診した際の診断結果1位「かぜ」、2位「喘息」に続いて、3位は「病気と診断されていない」
咳もしくは痰の治療のために医療機関を受診したと答えた人に、どのような病気と診断されたかを伺いました。すると、診断結果1位「かぜ」(39.9%)、2位「喘息」(31.0%)だったのに続いて、3位が「病気と診断されていない」(12.5%)と、症状の特定ができていない方も約1割以上いることがわかりました。
● 約3人に1人(29.9%)が、「咳もしくは痰の治療に満足していない」と回答
さらに、咳もしくは痰の治療のために医療機関を受診したと答えた人に、その満足度について伺いました。その結果、約3人に1人(29.9%)が「やや満足していない」「満足していない」と答え、受診後もその症状に苦しんでいる方々がいる実態が浮き彫りになっています。
肺NTM症について
肺NTM症は、結核菌およびらい菌以外の抗酸菌によって引き起こされる肺の病気です。肺NTM症の80~90%はマイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)菌に起因しています。慢性の咳、呼吸困難、倦怠感、発熱、体重減少、胸痛など、時間の経過とともに悪化することが多い様々な症状を引き起こし、場合によっては、肺に深刻で永続的な損傷を引き起こした結果、死亡に至る可能性があります。肺NTM症は、公衆衛生上の懸念であり、アンメットメディカルニーズがあると考えられます。
インスメッドについて
グローバルバイオ医薬品企業であるインスメッドは、深刻な希少疾患に苦しみながら、顧みられることの少なかった患者さんの日々の暮らしを変えていく使命を担っています。インスメッドは好中球が関与する炎症性疾患や希少肺疾患など深刻なアンメットニーズを有する疾患に対する研究開発に注力しています。インスメッドは、米国ニュージャージー州ブリッジウォーターに本社を置き、欧州や日本において事業を展開しています。
日本法人概要
会社名:インスメッド合同会社
設立日:2017年12月5日
住所:〒100-0014 東京都千代田区永田町2-10-3 東急キャピトルタワー13階