ニュースリリースは報道関係者を対象とした、配信時当時の情報を掲載しています。
医療関係者や一般の方々を対象とした医学的な情報提供や、プロモーションを目的としたものではありません。

本資料は、インスメッド(米国 ニュージャージー州)が2025年6月10日(現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、その内容および解釈については、英語原文の記載及び米国における規制等に基づくものが優先されます。本資料は、報道関係者各位へ参考資料として提供するもので、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。英語版は、https://investor.insmed.com/2025-06-10-Insmed-Announces-Positive-Topline-Results-from-Phase-2b-Study-of-Treprostinil-Palmitil-Inhalation-Powder-TPIP-as-Once-Daily-Therapy-in-Patients-with-Pulmonary-Arterial-Hypertensionをご参照ください。

インスメッド®、肺動脈性肺高血圧症(PAH)患者を対象とした
1日1回投与TPIPの第Ⅱb相試験において良好なトップライン結果を発表

– 本試験は、主要評価項目およびすべての副次有効性評価項目を達成。
 
  • 主要評価項目である肺血管抵抗(PVR)のベースラインからの変化量(プラセボ調整済み)は、35%の低下を示し、統計学的に有意でした(p<0.001)。
  • 副次評価項目である 6 分間歩行距離(6MWD)のベースラインからの変化量(プラセボ調整済み)は、35.5 メートルの改善を示し(p=0.003)。
  • 副次有効性評価項目である血中 NT-proBNP 濃度のベースラインからの変化量(プラセボ調整済み)は、60%の低下を示した(p<0.001)。
  • 投与後約 24 時間後に結果が評価され、24 時間の投与期間を通じて持続的な効果が示された。
– 本試験ではTPIPの忍容性が良好であり、75%の患者が最高用投与量まで達した。
– インスメッドは第Ⅲ相試験のデザインについてFDAと直ちに協議し、PH-ILDの第Ⅲ相試験を2025年末までに、PAHの第Ⅲ相試験を2026年初頭に開始する予定。
– インスメッドは、2025年6月10日(火)午前8時(米国東部時間)より、投資家向け電話会議を開催した。

2025年6月10日、米国ニュージャージー州発 人を第一に考え、深刻な疾患と生きる患者さんの未来を変える、ファースト・イン・クラスおよびベスト・イン・クラスの治療法の実現を目指すグローバルバイオ医薬品企業のインスメッド(Nasdaq: INSM)は、本日、肺動脈性肺高血圧症(PAH、WHOGroup1)患者を対象に、Treprostinil palmitil inhalation powder(TPIP)を1日1回投与する有効性および安全性を評価した無作為化二重盲検プラセボ対照第Ⅱb相試験のトップライン結果が良好であったことを発表しました。本試験は、主要評価項目およびすべての副次有効性評価項目を達成しました。主要評価項目である肺血管抵抗(PVR)のベースラインからの変化量(プラセボ調整済み)は35%減少、最小二乗平均(LS平均)比は0.65(95%CI:0.54~0.79、p<0.001)でした。副次有効性評価項目である6分間歩行距離(6MWD)のベースラインからの変化量(プラセボ調整済み)は35.5メートル(95%CI:11.2~60.7、p=0.003)改善されており、心臓ストレスのバイオマーカーであるN末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)濃度のベースラインからの変化量(プラセボ調整済み)は60%減少、LS平均比は0.40(95%CI:0.27~0.59、p<0.001)でした。これらの結果は、投与後約24時間に評価された有効性に基づき、TPIPが1日1回投与の治療として持続的な治療効果を示しています。

これらの結果を受けて、インスメッドはPAHを対象とした第Ⅲ相試験のデザインについて、米国食品医薬品局(FDA)との協議を直ちに開始します。また、インスメッドは、2025年末までに間質性肺疾患に伴う肺高血圧症(PH-ILD)患者を対象とした第Ⅲ相試験を開始し、2026年初頭にはPAH患者を対象とした第Ⅲ相試験を開始する予定です。

インスメッドのチーフ・プロダクト・ストラテジー・オフィサーであるジーン・サリバン(M.D.)は次のように述べています。「肺動脈性肺高血圧症においてTPIPが示した統計学的に有意かつ臨床的に意義のある結果は、患者さんとプロスタノイド療法の将来にとって大きなブレークスルーとなる可能性を示しています。TPIPは、Treprostinilの可能性を最大限に引き出し、患者さんに真の有益な治療を提供することを目指して開発されました。これらの前例のない第Ⅱb相試験の結果は、TPIPがPAHの治療において、疾患の重症度や既存治療にかかわらず、高い有効性と良好な忍容性を兼ね備えた1日1回投与のプロスタノイド療法となり得る可能性を明確に示しています。今後開始予定の第III相試験で、これらの成果をさらに発展させていくことを楽しみにしています。」

本試験は世界44施設で実施され、合計102名の患者が無作為に2:1の割合で、TPIP(n=69)またはプラセボ(n=33)を16週間投与される群に割り付けられました。両群における背景因子およびベースライン時の患者特性は類似していました。患者は、TPIPまたはそれに対応するプラセボを1日1回80μgから開始し、3週間の間に、最大許容用量である1日1回640μgまで漸増されました。最終的な増量は第5週に実施される可能性もありました。TPIPを投与された患者のうち84%(n=58)が少なくとも1日1回480μgまで増量され、75%(n=52)が最大許容用量である1日1回640μgまで増量されました。全体として、TPIPを投与された患者の90%(n=62)およびプラセボを投与されたすべての患者が本試験を完了しました。

本試験において、1日1回投与のTPIP療法は良好な忍容性を示しました。治験薬投与後に発現した有害事象(TEAEs)は、TPIPを投与された患者では88.4%、プラセボ群では75.8%でした。重篤なTEAEsは、TPIP群で7.2%、プラセボ群で3.0%に認められました。また治療を中止するに至ったTEAEsは、TPIPを投与された患者の5.8%に認められましたが、プラセボ群では報告されませんでした。試験期間中の死亡例はありませんでした。5.0%以上発現し、TPIP群でプラセボ群よりも多く報告された主なTEAEsは、咳嗽(40.6% vs 21.2%)、頭痛(31.9% vs 15.2%)、倦怠感(10.1% vs 3.0%)、胸部不快感(8.7% vs 0.0%)、紅潮(8.7% vs 3.0%)、上気道感染(7.2% vs 3.0%)、非心原性胸痛(5.8% vs 3.0%)でした。

インスメッドの最高医学責任者(CMO)であるマルティナ・フラマー(M.D., M.B.A.)は次のように述べています。「本日のTPIPに関する素晴らしい結果は、PAHという進行性で重篤な疾患に対して、安全かつ有効な1日1回吸入のプロスタノイド療法を届けることを目指して、10年以上にわたって取り組んできた努力と革新的な化学技術の成果です。主要評価項目を高い統計学的有意差をもって達成し、すべての副次有効性評価項目でも良好な結果が得られたことで、TPIPが将来的に選択されるプロスタノイド療法となる可能性に大きな期待を寄せています。本試験にご参加いただいた多くの患者さんと医療従事者の皆さまに、心より感謝申し上げます。この歴史的な成果は、皆さまのご協力によってもたらされたものです。」

第Ⅱb相試験を完了したすべての患者は、最大許容用量である1日1回1280μgまでのTPIPの投与を評価する長期オープンラベル試験に参加できることができ、第Ⅱb相試験を完了した患者(n=95)のうち95%がオープンラベル試験に参加しました。インスメッドは、TPIPのPAHを対象とした第Ⅱb相試験およびオープンラベル試験の詳細な結果を、今後の医学学会にて発表する予定です。なお、PH-ILD患者を対象としたTPIPの第Ⅱa相試験のトップライン結果は、2024年5月に発表されています。

TPIPのPAHを対象とした第Ⅱb相試験の結果(探索的解析を含む)は、2025年6月10日午前8時(米国東部時間)よりインスメッドの投資家向け電話会議および同社の投資家向けプレゼンテーションにて紹介されました。

カンファレンスコール
インスメッドは、2025年6月10日午前8時(米国東部時間)よりカンファレンスコールを実施しました。この会議のウェブキャストは、当社ウェブサイト(www.insmed.com)の投資家情報セクションに90日間保存されます。

TPIPについて
Treprostinil palmitil inhalation powder(TPIP)は、炭素数16の炭素鎖にエステル結合で結合したTreprostinilで構成される、TreprostinilのプロドラッグであるTreprostinil palmitilの乾燥粉末製剤です。TPIPは、当社の研究で最初から開発されたPAH、PH-ILD、その他の希少かつ重篤な肺疾患患者を対象に1日1回投与療法として評価されている高度に差別化されたプロスタノイドです。TPIPは、カプセル製剤であり、吸入器を使用して投与されます。現在、TPIPは治験段階にあり、世界中のどの国・地域においても、承認されていません。

第Ⅱb相試験について
Treprostinil Palmitil Inhalation Powder(TPIP)による肺動脈性肺高血圧症(PAH、WHOGroup1)を対象とした第Ⅱb相試験は、1日1回投与のTPIPの有効性、安全性、薬物動態を評価するために実施された、無作為化、二重盲検、多施設、プラセボ対照試験です。本試験は44施設で実施され、102例の成人患者が登録されました。被験者はTPIPまたはプラセボを1日1回80μgから開始し、3週間かけて最大許容用量640μgまたは最大耐用量まで段階的に増量しました(最終増量は5週目に実施可能)。TPIPまたはプラセボはカプセル型吸入デバイスで自己投与されました。主要評価項目は、16週時点における肺血管抵抗(PVR)のベースラインからの変化(プラセボ比較)であり、副次評価項目には、6分間歩行距離(6MWD)、NT-proBNP濃度、薬物動態、安全性/忍容性が含まれました。試験完了後、希望する患者は最大1280μgまで増量可能な長期オープンラベル試験に移行可能でした。

肺動脈高血圧について
肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、肺の血管が狭窄または閉塞することで肺動脈の血圧が上昇する、進行性で重篤かつ希少な疾患です。主な症状には、息切れ、胸痛、めまいや失神、倦怠感、脱力感などがあります。PAHと診断されている患者は、米国で約35,000人、欧州主要5カ国(フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリス)で約40,000人、日本では約15,000人と推定されています。未治療のPAHは、著しく生活の質を低下させ、死に至ることもあります。

インスメッドについて
人を第一に考えるグローバルバイオ企業であるインスメッドは、深刻な疾患と生きる患者さんの未来を変える、ファースト・イン・クラスおよびベスト・イン・クラスの治療法の実現を目指しています。当社は既承認薬から、中期から後期開発段階にある治験薬、最もニーズの高い患者コミュニティに提供する先進的な創薬まで、多様なポートフォリオを推進しています。インスメッドの最も進んだ段階にあるプログラムは、米国・日本・欧州で承認された慢性かつ消耗性の肺疾患の治療をはじめとする肺疾患と炎症性疾患に関するものです。当社の初期段階の研究プログラムは、遺伝子療法、AIを用いたタンパク質工学、タンパク質製造、RNA端末結合、合成救済など、幅広い技術とモダリティを網羅しています。インスメッドは、米国ニュージャージー州ブリッジウォーターに本社を置き、欧州や日本において事業を展開しています。インスメッドはScience誌のトップエンプロイヤーサーベイで4年連続1位に選ばれ、バイオ医薬品産業で優良企業の1つとして認められています。

日本法人概要
会社名 : インスメッド合同会社
設立日 : 2017年12月5日
住所 : 〒100-0014 東京都千代田区永田町2-10-3 東急キャピトルタワー13階
https://insmed.jp/

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将来予想に関する記述
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