ニュースリリースは報道関係者を対象とした、配信時当時の情報を掲載しています。
医療関係者や一般の方々を対象とした医学的な情報提供や、プロモーションを目的としたものではありません。
報道参考資料
この資料は、インスメッド(米国 ニュージャージー州)が2024年8月8日(現地時間)に発表した内容を日本語に翻訳(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については、米国における規制等に基づくもの及び英語による記載が優先されます。英語版および関連財務表は、https://insmed.comをご参照下さい。
インスメッド®、2024年第2四半期業績、ならびにビジネスアップデート発表
- アリケイス®(アミカシンリポソーム吸入用懸濁液)*の2024年第2四半期の総収益は9,030万ドル、2023年第2四半期から年間17%の成長を反映。
- 気管支拡張症患者を対象としたブレンソカチブの米国における発売準備では、予定通り2024年第4四半期に新薬承認申請を行う見込み。
- アリケイスのENCORE試験における新規診断または再発肺MAC症患者の主要評価項目について、米国FDAと合意。
- 2024年のグローバルでのアリケイス売上予想レンジを3億4,000万ドルから3億6,000万ドルの範囲で維持、2023年と比較して2桁の成長を反映。
*日本ではアリケイス吸入液590mg(アミカシン硫酸塩 吸入用製剤)として承認されています。
2024年8月8日、米国ニュージャージー発 人を第一に考え、深刻な疾患と生きる患者さんの未来を変える、ファースト・イン・クラスおよびベスト・イン・クラスの治療法の実現を目指すグローバルバイオ医薬品企業のインスメッド(Nasdaq: INSM)は、2024年6月30日に終了した第2四半期の業績、ならびにビジネスアップデートを発表しました。
インスメッド会長兼最高経営責任者(CEO)のウィル・ルイスは、「2024年第2四半期は、画期的な第Ⅲ相ASPEN試験で良好なトップラインデータが得られ、インスメッド史上重要な転換期となりました。私たちは気管支拡張症のコミュニティに有望なお知らせをお届けし、新たな道を切り開く待望の結果を共に祝えることを喜んでおります。」と述べたうえで、「現在ブレンソカチブの薬事承認申請に向けた対応を早急に進めており、承認されれば2025年中盤の米国を皮切りに、世界で上市を成功させることができるよう準備を進めています。これらの努力と平行して、他の事業分野も順調に進められていることを誇りに思います。アリケイスが3つの地域において2桁成長を遂げ、最高の四半期売上を記録しました。今後絶好の機会が待ち受ける中、10年以上前に設定した当社のビジョン実現に向けて進化を続けることに、喜びを感じています。」と述べています。
最近の主なハイライト
Pillar 1:アリケイス
- 2024年第2四半期のアリケイスの売上高は、米国、日本、欧州での前年同期比2桁増を反映し、2023年第2四半期比で17%増加。これらの全3地域で収益が最高となりました。
- 6月に米国食品医薬品局(FDA)と協議し、新規に診断されたか、あるいは再発の肺MAC症で抗生物質療法を開始していない患者を対象とした第Ⅲ相ENCORE試験の主要評価項目について合意しました。
- インスメッドはENCORE試験に400名の患者登録を目指し、2026年第1四半期にトップラインデータの報告を予定しています。
Pillar 2:ブレンソカチブ
- インスメッドは、気管支拡張症の患者を対象としたブレンソカチブ第Ⅲ相ASPEN試験の良好なトップラインデータを、2024年5月に報告しました。試験では主要評価項目を達成し、ブレンソカチブの10mgおよび25mgの両用量で年率換算した呼吸器疾患増悪発生率のプラセボに対する統計学的に有意な減少が確認されました。この試験では25mg用量による1秒量(FEV1)のベースラインからの変化を含め、複数の事前に定められた副次的評価項目も達成しました。
- これらの結果から当社では、2024年第4四半期に気管支拡張症の患者を対象にブレンソカチブのFDAへの新薬承認申請(NDA)を予定しています。薬事承認が得られた場合、インスメッドでは2025年中盤に米国、2026年上半期に欧州と日本での上市を目指します。
- さらに、ASPEN試験の良好な結果が、2024年7月にスコットランドのダンディーで開催されたthe 7th World Bronchiectasis Conferenceで発表され、これには気管支拡張薬使用後の努力肺活量(FVC)変化量と、新たな症状日誌である気管支拡張症増悪及び症状ツール(BEST)スコアの日ごとの平均変化量という、2つの探索的評価項目からの25mg用量についての名目上有意な結果が含まれていました。
- インスメッドは、ボストンで10月6日~9日に開催されるCHEST 2024で、ASPEN試験について事前に定められた部分集団のデータを含め、さらなるデータを発表する予定です。
- インスメッドは米国における発売準備を進めており、発売前に120名のMR(Therapeutic Specialistと呼称)を新規に採用し、研修を実施し現場に配置する予定です。気管支拡張症に関する疾患啓発活動と、アリケイスの情報提供活動を行います。
- 鼻茸を伴わない慢性鼻副鼻腔炎(CRSsNP)患者を対象としたブレンソカチブの第Ⅱb相試験(BiRCh試験)の患者登録を継続しており、同試験のトップラインデータの公表を2025年後半に予定しています。
- 2024年末までに米国における最初の治験実施医療機関で、化膿性汗腺炎(HS)患者を対象としたブレンソカチブの第Ⅱ相試験を開始する予定です。
Pillar 3:TPIP
- 2024年5月に、Treprostinil Palmitil Inhalation Powder(TPIP)の間質性肺疾患に伴う肺高血圧症(PH-ILD)を対象とした第Ⅱ相試験における、安全性・忍容性に関する良好なトップラインデータを報告しました。
- 引き続き、2025年にPH-ILD患者を対象とした第Ⅲ相試験を開始する予定です。
- TPIPの肺動脈性肺高血圧症(PAH)患者を対象とした第Ⅱ相試験の患者登録は継続しており、現在目標登録数の75%以上が終了しています。
- PAHを対象とした第Ⅱ相試験のトップライン結果の公表は、引き続き2025年に予定しています。
Pillar 4:早期開発品
- インスメッドの初期研究の取り組みには、30以上の特定された前臨床プログラムが含まれており、すべてが当該領域でファースト・イン・クラスおよびベスト・イン・クラスの治療法になる可能性があります。
- 初期研究プログラム全体に対する支出は年間支出全体の20%未満になると予想しています。
コーポレートアップデート
- 2024年第2四半期にインスメッドは、1,893,203株の追加購入オプションの完全行使を含め、合計14,514,562株の普通株式の公募を完了しました。引受手数料とその他関連費用差引後の株式売買による手取額は、7億1,320万ドルでした。
- 2024年6月に当社は、2025年1月満期の既発の1.75%転換社債型優先債券の元本総額2億2,500万ドル全額について、2024年8月9日を償還日とする償還通知を発行しました。2024年8月7日時点で、既発債権の99.9%、つまり未払元本の2億2,470万ドルが償還日前に約570万株の普通株式に転換されました。
2024年第2四半期の業績について
- 2024年第2四半期の売上高は9,030万ドルで、2023年第2四半期の売上高7,720万ドルと比較して17%の伸びを示しました。
- 2024年第2四半期の売上高は、米国で6,380万ドル、日本で2,110万ドル、欧州およびその他の地域で540万ドルで、米国で前年同期比11%増、日本で同35%増、欧州およびその他の地域で同37%増となり、これらの地域におけるアリケイスの継続的な成長傾向を反映しています。
- 製品売上原価(償却費を除く)は、2023年度第2四半期の1,660万ドルに対し、2024年度第2四半期は2,100万ドルと増加しており、主にアリケイスの販売数量の増加を反映しています。
- 研究開発(R&D)費は、2023年度第2四半期の1億9,700万ドルに対し、2024年度第2四半期は1億4,670万ドルと減少しました。この減少は主に、前年同期のアドレスティア・セラピューティクス(Adrestia Therapeutics Ltd.)の買収の非現金支出費用によるものです。
- 2024年第2四半期の販売費および一般管理費(SG&A)は1億660万ドルで、2023年第2四半期は8,440万ドルに対し増加しました。この増加は、主に社員数増加に応じた報酬、福利厚生関連費用、株式型報酬の増加によるものです。
- 2024年第2四半期の非現金費用は1億370万ドルとなり、これは以前の買収に関連する繰延対価および条件付取得対価の負債評価額の変更を反映したもので、主に当四半期中の株価上昇により生じたものです。
- 2024年第2四半期のインスメッドの純損失は3億60万ドル(1株当たり1.94ドル)で、2023年第2四半期の純損失2億4,480万ドル(1株当たり1.78ドル)に対し損失拡大しました。
貸借対照表、財政ガイダンス、計画投資について
- 2024年6月30日現在、インスメッドは、12億4,680万ドルの現金および現金同等物を保有しています。
- 2024年通年のアリケイスの全世界での売上を3億4,000万~3億6,000万ドルと再確認しており、2023年と比較し15%の成長を予測しています。
- 全年間支出の80%以上を中期から後期段階のプログラム(アリケイス、ブレンソカチブ、およびTPIP)に、20%未満を初期段階の研究開発プログラムに投じる予定です。これは当社のこれまでの支出方針を維持したものです。
- 当社は、2024年には以下の主要な活動への投資を計画しています。
(i) アリケイスのグローバルでの既存適応症のさらなる拡大、ならびに現在の適応症完全承認のための市販後の条件を満たすと共に、肺MAC症の全患者への適応拡大を目指す臨床試験の推進を含みます。
(ii) ブレンソカチブの進捗推進。
a. 気管支拡張症患者を対象とした薬事申請と上市準備活動
b. CRSsNP患者を対象とした進行中の第Ⅱ相BiRCh試験と開始予定のHSに対する第Ⅱ相試験。
(iii) TPIPの臨床試験の推進。
(iv) 早期開発パイプラインの推進。
カンファレンスコール
インスメッドは、8月8日午前8時(米国東部時間)よりカンファレンスコールを実施しました。この会議のウェブキャストは、当社ウェブサイト(www.insmed.com)の投資家情報セクションに90日間保存されます。
アリケイスについて
アリケイスは、米国ではARIKAYCE®(Amikacin Liposomal Inhalation Suspension/ALIS, アミカシンリポソーム吸入用懸濁液)、欧州ではARIKAYCE® Liposomal 590mg Nebuliser Dispersion、日本ではアリケイス吸入液590mg(アミカシン硫酸塩 吸入用製剤)として承認されています。現在、国際的な治療ガイドラインでは、適切な患者にアリケイスを使用することが推奨されています。アリケイスは、これまで静脈内投与されていたアミカシンを、1日1回、吸入投与する新規製剤です。当社独自のPULMOVANCE®リポソーム技術により、アミカシンを肺に直接到達させることで、従来懸念されていた聴覚、平衡感覚、および腎機能といった全身性の副作用の発現を抑えながら、主要な感染細胞である肺マクロファージに取り込まれることを可能としました。アリケイスは、PARI® Pharma GmbH(以下、PARI社)社製のラミラ® ネブライザシステムを使用して1日1回投与されます。
PARI社とラミラネブライザシステムについて
アリケイスは、PARI社が開発した新しい吸入器であるラミラネブライザシステムによって投与されます。ラミラは、振動する多孔質膜を介してアリケイスを効率的に噴霧することができる、静かで持ち運び可能なネブライザです。PARI社は、エアロゾルに関する100年の知見に基づき、患者の治療を向上させるための革新的な送達プラットフォームの開発を通じて、吸入治療の進歩に貢献しています。
ブレンソカチブについて
ブレンソカチブは、インスメッドが気管支拡張症やその他の好中球介在性疾患の治療薬として開発している低分子の経口ジペプチジルペプチダーゼ1(DPP1)可逆的阻害剤です。DPP1は、好中球が骨髄で形成される際に、好中球エラスターゼなどの好中球セリンプロテアーゼ(NSP)を活性化する酵素です。好中球は白血球の中で最も多く存在し、病原体の破壊や炎症性媒介において不可欠な役割を担っています。慢性炎症性肺疾患では、好中球が気道に蓄積し、その結果、過剰に活性化したNSPが肺の破壊と炎症を引き起こします。ブレンソカチブは、DPP1およびそのNSPの活性化を阻害することにより、気管支拡張症などの炎症性疾患への損傷作用を低下させることが期待されます。現在、ブレンソカチブは開発治験段階にあり、世界中のどの国・地域においても、承認されていません。
TPIPについて
Treprostinil palmitil inhalation powder(TPIP)は、トレプロスチニルのプロドラッグ乾燥粉末製剤であり、16炭素鎖にエステル結合でトレプロスチニルを連結したものです。TPIPは、すべて当社の研究所で開発され、PAH、PH-ILD、その他の希少かつ重篤な肺疾患患者の治療薬として将来が非常に期待されるプロスタノイドです。TPIPは、カプセル製剤であり、吸入器を使用して投与されます。現在、TPIPは開発治験段階にあり、世界中のどの国・地域においても、承認されていません。
インスメッドについて
人を第一に考えるグローバルバイオ企業であるインスメッドは、深刻な疾患と生きる患者さんの未来を変える、ファースト・イン・クラスおよびベスト・イン・クラスの治療法の実現を目指しています。当社は既承認薬から、中期から後期開発段階にある治験薬、最もニーズの高い患者コミュニティに提供する先進的な創薬まで、多様なポートフォリオを推進しています。インスメッドの最も進んだ段階にあるプログラムは、米国・日本・欧州で承認された慢性的で衰弱しやすい肺疾患の治療をはじめとする肺疾患と炎症性疾患に関するものです。当社の初期段階の研究プログラムは、遺伝子療法、AIを用いたタンパク質工学、タンパク質製造、RNA端末結合、合成救済など、幅広い技術とモダリティを網羅しています。インスメッドは、米国ニュージャージー州ブリッジウォーターに本社を置き、欧州や日本において事業を展開しています。インスメッドはScience誌のトップエンプロイヤーサーベイで3年連続1位に選ばれ、バイオ医薬品産業で優良企業の1つとして認められています。
日本法人概要
会社名:インスメッド合同会社
設立日:2017年12月5日
住所:〒100-0014 東京都千代田区永田町2-10-3 東急キャピトルタワー13階
https://insmed.jp/
Insmed®, Insmed logo, インスメッド®, ARIKAYCE®, アリケイス® are registered trademarks of Insmed Incorporated.
PARI® is a registered trademark of PARI GmbH.ラミラ® is registered trademarks of PARI Pharma GmbH.
All other trademarks referenced herein are the property of their respective owners.
将来予想に関する記述
本プレスリリースには、1995年米国民事証券訴訟改革法にいう「将来予想に関する記述」が含まれており、これは歴史的事実ではない記述であり、多くのリスクや不確定要素を伴っています。本プレスリリース記載の「かもしれない」、「予定する」、「はずである」、「可能性がある」、「だろう」、「期待する」、「計画する」、「見込む」、「信じる」、「見積もる」、「想定する」、「予測する」、「予定する」、「可能性がある」、「継続する」およびその他同様の表現(ならびに将来の事象、条件、状況に言及しているその他の言葉や表現)は、将来予想に関する記述であることを示しています。
本プレスリリースに記載されている将来予想に関する記述は、当社の現時点での予測や見解に基づくものであり、既知および未知のリスク、不確定要素およびその他の要因を伴っています。これらの要因により、当社の実際の業績、実績、成果および特定の事象の発生時期が、将来予想に関する記述で検討、予測、予想または提示されているそれらと大きく異なる可能性があることをご留意ください。これらのリスク、不確定要素およびその他要因には、以下のものが含まれます。アリケイスの商業化の失敗、またはアリケイスの現在の規制当局による承認維持の失敗。当社が米国食品医薬品局からアリケイスに対する完全承認を取得できないこと。より広範な患者群を対象としたアリケイスの適応拡大に必要な薬事承認を取得できないこと。ブレンソカチブに関する規制当局による承認を取得できないこと、またはその取得が遅延すること。規制当局により承認されたにもかかわらずブレンソカチブの商業化に成功しないこと。アリケイスまたは(承認された場合)ブレンソカチブの市場受容度の不確実性または変化。アリケイスまたは(承認された場合)ブレンソカチブに対する適切な償還を得られないこと、または許容できる薬価を得られないこと。アリケイス、ブレンソカチブまたはその他の製品候補の潜在的な市場規模予測が不正確であること。当社が製造に関して委託している第三者の失敗。アリケイス、ブレンソカチブまたは当社の他の製品候補に対して予測せぬ安全性または有効性に関する懸念事項の発生。当社が発表する臨床試験の中間データ、トップラインデータもしくは予備データがより多くの患者データが入手可能になるにつれて変化するリスク、または盲検化されたデータから盲検化されていないデータを予測できないリスク。獲得した技術、製品および製品候補が商業的に成功しないリスク。自然災害、公衆衛生上の緊急事態またはサイバーセキュリティ攻撃を含む、大災害またはその他の事象による事業または経済活動の混乱。AIおよび機械学習の現在および将来的な利用が成功しないリスク。米国、欧州、日本および全世界における一般的経済状況の悪化。高額な知的財産に関する紛争に巻き込まれるリスク、または当社の知的財産権を適切に保護できないリスク。当社が当事者である訴訟または当事者となる可能性のある訴訟に起因するコストおよび潜在的なレピュテーションダメージ。当社の事業に適用される法令の変更。過去の営業赤字、および収益性を達成または維持できない可能性。既存債務の返済不能および将来の資本調達能力に関する不確実性。追加的な第三者製造施設の建設計画実行の遅延。
将来予想に関する記述は、その性質上将来発生するまたは発生しない可能性のある事象に関連し、かつ将来発生するまたは発生しない可能性のある状況に依存するため、当社が将来予想に関する記述で示した実績、計画、意図、または予測を実際に達成できない場合があります。当社の事業に影響を及ぼすリスクや不確定要素に関する追加情報については、2023年12月31日を期末とするインスメッド年次報告書(Form 10-K)およびそれ以降に米国証券取引委員会(SEC)に提出している書類に記載されているItem 1A「リスク要因(Risk Factors)」で説明されている要因をご覧ください。
将来予想に関する記述は、あくまでも公表日現在における発表であるため、それらに過度に依拠することのないようご注意ください。当社は、法律および米国証券取引委員会(SEC)の規則で特に定められている場合を除き、将来予想に関する記述を公に更新または修正する義務を負いません。