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医療関係者や一般の方々を対象とした医学的な情報提供や、プロモーションを目的としたものではありません。
本資料は、インスメッド(米国 ニュージャージー州)が2025年4月23日(現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、その内容および解釈については、英語原文の記載及び米国における規制等に基づくものが優先されます。本資料は、報道関係者各位へ参考資料として提供するもので、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。英語版は、https://investor.insmed.com/2025-04-23-New-England-Journal-of-Medicine-Publishes-Positive-Results-from-Insmeds-Pivotal-Phase-3-ASPEN-Study-of-Brensocatib-in-Patients-with-Bronchiectasisをご参照ください。
インスメッド®、気管支拡張症患者を対象としたブレンソカチブのピボタル第III相ASPEN試験の良好な結果をNew England Journal of Medicineへ掲載
- 気管支拡張症を対象とした過去最大規模の国際共同試験において、ブレンソカチブはプラセボと比較して、呼吸器疾患増悪の発生頻度を統計学的に有意かつ臨床的に意義あるレベルで減少させることが示された。
- ブレンソカチブ25mgは、気管支拡張症において肺機能低下の進行を統計学的に有意に抑制することが示された初めての治験薬である
- ブレンソカチブは現在、米国食品医薬品局(FDA)において優先審査の対象となっている。
2025年4月23日、米国ニュージャージー州発 人を第一に考え、深刻な疾患と生きる患者さんの未来を変える、ファースト・イン・クラスおよびベスト・イン・クラスの治療法の実現を目指すグローバルバイオ医薬品企業のインスメッド(Nasdaq: INSM)は、非嚢胞性線維症気管支拡張症(NCFBE)患者を対象としたブレンソカチブのピボタル第III相ASPEN試験の良好な結果が、New England Journal of Medicine(NEJM)に掲載されたことを発表しました。この象徴的なASPEN試験は、現在承認された治療薬のない重篤かつ慢性進行性の炎症性肺疾患である気管支拡張症を対象とした、過去最大規模の臨床試験です。
「気管支拡張症は、肺機能の低下を引き起こし、生活の質に深刻な影響を及ぼす呼吸器疾患増悪を特徴とする消耗性疾患です。」と、筆頭著者である英国ダンディー大学医学部の教授で呼吸器内科医顧問のJames Chalmers氏(MBChB, PhD)は述べています。
「治療の選択肢が限られ、承認された治療法も存在しない中で、増悪の負担は依然として大きく、多くの患者が年間に複数回の増悪を経験しています。今回、NEJMに掲載されたASPEN試験のデータは、炎症を標的とした治療が増悪を抑制し、肺機能の低下速度を遅らせることができることを初めて示しました。これは非常に重要な進展であり、気管支拡張症に苦しむ人々にとって、ブレンソカチブが承認されれば新たな希望となる、革新的なブレークスルーの可能性を意味します。」
既報の通り、ASPEN試験は主要評価項目を達成しており、ブレンソカチブの両用量(10mgおよび25mg)は、52週間の治療期間における呼吸器疾患増悪の年間発生率について、プラセボと比較して統計学的および臨床的に有意な減少を示しました。増悪の年間発生率は、ブレンソカチブ10mg群で1.02、25mg群で1.04、プラセボ群で1.29でした。これらの発生率は、それぞれプラセボに対して有意に低く、発生率比は10mg群で0.79(調整済みP値=0.004)、25mg群で0.81(調整済みP値=0.005)でした。
ブレンソカチブの両用量は、増悪に関連する複数の副次評価項目も達成しました。これには、最初の増悪までの時間の有意な延長、および治療期間中に増悪を経験しなかった患者の割合の有意な増加が含まれます。さらに、ブレンソカチブ25mgを投与された患者では、52週時点における気管支拡張薬投与後の1秒量(FEV1)による評価で、肺機能低下が有意に抑制されていることも示されました。
本試験において、ブレンソカチブは良好な忍容性を示しました。ブレンソカチブのいずれかの用量を投与された患者のうち、少なくとも5.0%以上に発現し、プラセボ群より高頻度であった治験薬投与下で発現した有害事象(TEAEs)は、ブレンソカチブ10mg群、25mg群、プラセボ群の順に、COVID-19(15.8%、20.9%、15.8%)、鼻咽頭炎(7.7%、6.3%、7.6%)、咳嗽(7.0%、6.1%、6.4%)、頭痛(6.7%、8.5%、6.9%)でした。
「現在、気管支拡張症の患者さんには、この疾患の特徴である、頻回に発生し深刻なダメージの原因となる増悪に対処するための承認された治療法が存在しません」と、インスメッドの最高医学責任者(CMO)である マルティナ・フラマー(M.D., M.B.A.)は述べています。「ブレンソカチブは、気管支拡張症患者の治療におけるこの重要なアンメットニーズを満たす、初の承認薬となる可能性を秘めており、また、初めて承認されるジペプチジルペプチダーゼ1(DPP1)阻害剤として、好中球が関与するさまざまな炎症性疾患に対する新たな作用機序を提供するものです。ASPEN試験は、世界中で気管支拡張症と診断された何百万人もの人々にとって、革新的な一歩となります。」
ブレンソカチブは現在、米国食品医薬品局(FDA)において優先審査中であり、2025年8月12日を目標行動日とする処方薬ユーザー・フィー法(PDUFA)に基づく審査が進められています。
ASPEN試験について
35ヶ国で、合計391の医療機関でASPEN試験を実施しました。成人の患者(18歳以上85歳まで)は1:1:1の割合で、青少年の患者(12歳以上18歳未満)は2:2:1の割付比でブレンソカチブ10mg、ブレンソカチブ25mg、又はプラセボを1日1回、52週間投与する群にランダムに割り付けし、投与終了後に4週間の追跡調査期間が設けられました。主要な有効性解析には、1,680人の成人患者と41人の青少年患者のデータが含まれています。
気管支拡張症について
気管支拡張症は、感染、炎症、肺組織損傷のサイクルにより気管支が不可逆的に拡張する重篤な慢性肺疾患です。この疾患は、抗生物質治療や入院を必要とする呼吸器疾患増悪が頻繁に起こることが特徴です。症状としては、慢性の咳嗽、過剰な喀痰生産、息切れ、呼吸器感染の繰り返しなどがあり、基礎疾患を悪化させます。現在、米国で約50万人、EU5カ国(フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリス)で約60万人、日本で約15万人の患者が気管支拡張症と診断されており、これらの地域では現在、気管支拡張症の治療に特化した治療薬は承認されていません。
ブレンソカチブについて
ブレンソカチブは、インスメッドが気管支拡張症、鼻茸を伴わない慢性副鼻腔炎、化膿性汗腺炎、その他の好中球を介する疾患の治療薬として開発を進めている低分子の可逆的経口ジペプチジルペプチダーゼ1(DPP1)阻害剤です。DPP1は、好中球が骨髄中で形成される際に、好中球エラスターゼなどの好中球セリンプロテアーゼ(NSP)を活性化する酵素です。好中球は白血球の中で最も多く存在し、病原体の破壊や炎症性媒介において不可欠な役割を担っています。慢性炎症性肺疾患では、好中球が気道に蓄積し、その結果、過剰に活性化したNSPが肺の破壊と炎症を引き起こします。ブレンソカチブは、DPP1およびDPP1によるNSPの活性化を阻害することにより、気管支拡張症などの炎症性疾患が及ぼす損傷作用を低下させることが期待されます。現在、ブレンソカチブは開発治験段階にあり、世界中のどの国・地域においても、承認されていません。
インスメッドについて
人を第一に考えるグローバルバイオ企業であるインスメッドは、深刻な疾患と生きる患者さんの未来を変える、ファースト・イン・クラスおよびベスト・イン・クラスの治療法の実現を目指しています。当社は既承認薬から、中期から後期開発段階にある治験薬、最もニーズの高い患者コミュニティに提供する先進的な創薬まで、多様なポートフォリオを推進しています。インスメッドの最も進んだ段階にあるプログラムは、米国・日本・欧州で承認された慢性かつ消耗性の肺疾患の治療をはじめとする肺疾患と炎症性疾患に関するものです。当社の初期段階の研究プログラムは、遺伝子療法、AIを用いたタンパク質工学、タンパク質製造、RNA端末結合、合成救済など、幅広い技術とモダリティを網羅しています。インスメッドは、米国ニュージャージー州ブリッジウォーターに本社を置き、欧州や日本において事業を展開しています。インスメッドはScience誌のトップエンプロイヤーサーベイで4年連続1位に選ばれ、バイオ医薬品産業で優良企業の1つとして認められています。
日本法人概要
会社名 : インスメッド合同会社
設立日 : 2017年12月5日
住所 : 〒100-0014 東京都千代田区永田町2-10-3 東急キャピトルタワー13階
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将来予想に関する記述
本プレスリリースには、1995年米国民事証券訴訟改革法にいう「将来予想に関する記述」が含まれており、これは歴史的事実ではない記述であり、多くのリスクや不確定要素を伴っています。本プレスリリース記載の「かもしれない」、「予定する」、「はずである」、「可能性がある」、「だろう」、「期待する」、「計画する」、「見込む」、「信じる」、「見積もる」、「想定する」、「予測する」、「予定する」、「可能性がある」、「継続する」およびその他同様の表現(ならびに将来の事象、条件、状況に言及しているその他の言葉や表現)は、将来予想に関する記述であることを示しています。
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