ニュースリリースは報道関係者を対象とした、配信時当時の情報を掲載しています。
医療関係者や一般の方々を対象とした医学的な情報提供や、プロモーションを目的としたものではありません。
本資料は、インスメッド(米国 ニュージャージー州)が2025年8月12日(現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、その内容および解釈については、英語原文の記載及び米国における規制等に基づくものが優先されます。本資料は、報道関係者各位へ参考資料として提供するもので、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。英語版は、https://investor.insmed.com/2025-08-12-FDA-Approves-BRINSUPRI-TM-brensocatib-as-the-First-and-Only-Treatment-for-Non-Cystic-Fibrosis-Bronchiectasis,-a-Serious,-Chronic-Lung-Diseaseをご参照ください。
米国FDAはBRINSUPRI™(ブレンソカチブ)を
重篤な慢性肺疾患である非嚢胞性線維症気管支拡張症に対する
初の、かつ唯一の治療薬として承認
- 米国では、約50万人の患者が進行性で肺に不可逆的な損傷をもたらす可能性のある疾患、
非嚢胞性線維症気管支拡張症(NCFB)と診断されている。 - BRINSUPRI 10 mgおよび25 mgは、非嚢胞性線維症気管支拡張症(NCFB)治療薬として承認された。
- BRINSUPRIは、好中球性炎症を標的とするファースト・イン・クラスのDPP1阻害薬であり、包括的な専門薬局ネットワークを通じて処方箋により提供される。
2025年8月12日、米国ニュージャージー州発 人を第一に考え、深刻な疾患と生きる患者さんの未来を変える、ファースト・イン・クラスおよびベスト・イン・クラスの治療法の実現を目指すグローバルバイオ医薬品企業のインスメッド®(Nasdaq: INSM)は、米国食品医薬品局(FDA)が、BRINSUPRI™(ブレンソカチブ 10 mgおよび25 mg錠)を成人および12歳以上の小児を対象とした1日1回経口投与の非嚢胞性線維症気管支拡張症(NCFB)に対するファースト・イン・クラスの治療薬として承認したことを発表しました。BRINSUPRIは、NCFBに対してFDAが初めて承認した唯一の治療薬であり、米国の数十万人の患者および医療従事者に、この慢性で進行性の疾患を管理する選択肢を提供いたします。本疾患は、肺に不可逆的な損傷や肺機能の低下を引き起こす可能性があります。
「このFDAの承認は、非嚢胞性線維症気管支拡張症の治療アプローチにおける潜在的なパラダイムシフトを示すものです」と、ニューヨーク大学グロスマン医科大学 呼吸器・集中治療・睡眠医学のFiona and Stanley Druckenmiller寄付講座教授であり、NYUラングーン・ヘルス気管支拡張症・NTMプログラムのディレクター、およびASPEN試験の治験担当医師であるDoreen Addrizzo-Harris氏(M.D., FCCP)は述べた上で、「今回、初めて、好中球性炎症を直接標的とし、気管支拡張症の増悪の根本原因に対応する治療薬が登場しました。臨床データの信頼性と患者で確認された効果を踏まえると、これは非嚢胞性線維症気管支拡張症の治療における新たな標準となる可能性があると信じています。」と述べています。
米国では、NCFBと診断されている患者は約50万人にのぼり、世界ではさらに数百万人がこの疾患とともに生活していると推定されています。気道の狭窄を特徴とする他の呼吸器疾患とは異なり、気管支拡張症では気道が不可逆的に拡張し、粘液や細菌の排出が困難となり、慢性的な炎症や感染が引き起こされます。本疾患の特徴的な症状として、咳嗽、喀痰の増加、呼吸困難、倦怠感などが悪化する増悪が頻繁に発生します。
「非嚢胞性線維症気管支拡張症は、この慢性肺疾患とともに生きる患者さんの身体的健康のみならず、感情的な幸福度にも影響を及ぼします。」と、Bronchiectasis and NTM Association(気管支拡張症・NTM協会)のエグゼクティブディレクターであるElisha Malanga氏は述べた上で、「多くの患者さんが頻回の増悪を経験しており、日常生活が妨げられるだけでなく、疾患の進行につながる可能性もあります。ブレンソカチブのFDAによる承認は、非嚢胞性線維症気管支拡張症に対する初の承認治療薬として、長く待ち望まれてきた大きな前進です。このような治療薬によって、気管支拡張症の患者さんが自身の疾患をより適切に管理できるようになることを期待しています。」と述べています。
今回の承認は、いずれも New England Journal of Medicine に掲載された第III相ASPEN試験および第II相WILLOW試験のデータに基づいています。ASPEN試験では、BRINSUPRI 10 mg群で増悪の年間発生率がプラセボ群に比べ21.1%減少し、25 mg群では19.4%減少しました。BRINSUPRIの両用量は、最初の増悪までの時間を有意に延長し、治療期間を通じて無増悪であった患者の割合を有意に増加させるなど、増悪に関連する複数の副次評価項目を達成しました。さらに、25 mg群では、気管支拡張薬投与後の1秒量(FEV₁)による評価で、52週時点における肺機能低下が統計学的に有意に抑制されました。また、BRINSUPRIの安全性は両試験で評価されました。ASPEN試験において発現率が2%以上であった主な有害事象は、上気道感染、頭痛、発疹、皮膚乾燥、過角化、高血圧でした。成人のNCFB患者を対象としたWILLOW試験における安全性プロファイルは概ねASPEN試験と同様でしたが、歯肉および歯周に関連する有害事象の発現率が高い傾向が認められました。
「非嚢胞性線維症気管支拡張症に対する初の治療薬がFDAに承認されたことは、患者さん、そしてインスメッドにとって歴史的な節目となります。」と、インスメッドの最高医学責任者(CMO)であるマルティナ・フラマー(M.D., M.B.A.)は述べた上で、「私たちは常に患者さんを中心に据え、これまで承認治療薬のなかった疾患に対し、再びファースト・イン・クラスの医薬品を届けることができました。これは医学における素晴らしい成果です。この実現にご尽力いただいた患者さん、医療従事者、そして支援者の皆さまに心より感謝いたします。これは、このコミュニティのために私たちが共に成し遂げていけることの、ほんの始まりにすぎません。」と述べています。
BRINSUPRIは、NCFBにおける慢性気道炎症の主要な原因である好中球内の酵素(好中球セリンプロテアーゼ)の活性化を阻害するよう設計された、ファースト・イン・クラスのジペプチジルペプチダーゼ1(DPP1)阻害剤です。BRINSUPRIは、NCFBの根本的な炎症プロセスに対処する初の承認治療薬です。
ブレンソカチブは、欧州医薬品庁(EMA)および英国医薬品・医療製品規制庁(MHRA)への申請も受理されており、2025年中に日本での申請を予定しています。各地域で承認が得られ次第、商業販売は2026年に開始される見込みです。
BRINSUPRIは現在、米国で処方箋により、包括的な専門薬局ネットワークを通じて入手可能です。
カンファレンスコール
インスメッドは、2025年8月12日正午(米国東部時間)よりカンファレンスコールを実施しました。この会議のウェブキャストは、当社ウェブサイト(www.insmed.com)の投資家情報セクションに90日間保存されます。
BRINSUPRI™(ブレンソカチブ)について
BRINSUPRI™(ブレンソカチブ)は、成人および12歳以上の小児を対象とした非嚢胞性線維症気管支拡張症(NCFB)の治療薬として承認された、1日1回経口投与の可逆的ジペプチジルペプチダーゼ1(DPP1)阻害剤です。ブレンソカチブは、NCFBにおける慢性気道炎症の主要な原因である好中球内の酵素(好中球セリンプロテアーゼ)の活性化を阻害するよう設計されています。さらに、ブレンソカチブは他の好中球介在性疾患における有用性についても評価を行っています。
ASPEN試験について
ASPENは、非嚢胞性線維症気管支拡張症(NCFB)患者におけるブレンソカチブの有効性、安全性および忍容性を評価するために実施された、世界規模のランダム化二重盲検プラセボ対照第III相試験です。ASPEN試験の実施にあたり、約40か国で460以上の治験施設が参加しました。患者を登録していない施設およびウクライナの全施設を除外した結果、ASPEN試験の実稼働施設は35か国で391施設となりました。成人患者(18以上85歳まで)は1:1:1の割合で、青少年患者(12歳以上18歳未満)は2:2:1の割付比で、ブレンソカチブ10 mg、ブレンソカチブ25 mg、又はプラセボを1日1回、52週間投与する群にランダムに割り付けし、投与終了後に4週間の追跡調査期間が設けられました。主要な有効性解析には、1,680人の成人患者と41人の青少年患者のデータが含まれています。
WILLOW試験について
WILLOW試験は、非嚢胞性線維症気管支拡張症(NCFB)患者におけるブレンソカチブの有効性、安全性、忍容性、および薬物動態を評価するために実施された、ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間、多施設・多国籍の第II相試験です。ブレンソカチブは1日1回、24週間投与されました。WILLOW試験は116施設で実施され、スクリーニング前12か月間に少なくとも2回の呼吸器疾患増悪が記録されているNCFB成人患者256例が登録されました。患者は1:1:1の割合で、ブレンソカチブ10 mg群、ブレンソカチブ25 mg群、またはプラセボ群に割り付けられました。有効性に関する主要評価項目は、24週間の投与期間中の最初の呼吸器疾患増悪までの時間(ブレンソカチブ群とプラセボ群との比較)でした。
気管支拡張症について
気管支拡張症は、感染、炎症、肺組織損傷のサイクルにより気管支が不可逆的に拡張する重篤な慢性肺疾患です。この疾患は、抗生物質治療や入院を必要とする呼吸器疾患増悪が頻繁に起こることが特徴です。症状としては、慢性の咳嗽、過剰な喀痰生産、息切れ、繰り返す呼吸器感染などがあり、基礎疾患を悪化させます。成人の気管支拡張症の大部分は、非嚢胞性線維症気管支拡張症(NCFB)です。現在、米国では約50万人、EU5カ国(フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリス)で約60万人、日本で約15万人がNCFBと診断されており、米国以外の地域では、気管支拡張症そのものに対して認可された治療法はありません。
インスメッドについて
人を第一に考えるグローバルバイオ企業であるインスメッドは、深刻な疾患と生きる患者さんの未来を変える、ファースト・イン・クラスおよびベスト・イン・クラスの治療法の実現を目指しています。当社は既承認薬から、中期から後期開発段階にある治験薬、最もニーズの高い患者コミュニティに提供する先進的な創薬まで、多様なポートフォリオを推進しています。インスメッドの最も進んだ段階にあるプログラムは、米国・日本・欧州で承認された慢性かつ消耗性の肺疾患の治療をはじめとする肺疾患と炎症性疾患に関するものです。当社の初期段階の研究プログラムは、遺伝子療法、AIを用いたタンパク質工学、タンパク質製造、RNA端末結合、合成救済など、幅広い技術とモダリティを網羅しています。インスメッドは、米国ニュージャージー州ブリッジウォーターに本社を置き、欧州や日本において事業を展開しています。インスメッドはScience誌のトップエンプロイヤーサーベイで4年連続1位に選ばれ、バイオ医薬品産業で優良企業の1つとして認められています。
日本法人概要
会社名 : インスメッド合同会社
設立日 : 2017年12月5日
住所 : 〒100-0014 東京都千代田区永田町2-10-3 東急キャピトルタワー13階
https://insmed.jp/
Insmed®, Insmed logo, andインスメッド® are registered trademarks of Insmed Incorporated.
将来予想に関する記述
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